食卓はいつも焼きたてパンの美味しい香りに包まれて~地元に愛される、つくばのベーカリー

「研究学園都市」つくばが、「パンの美味しい街」としても有名なのをご存じでしょうか。その歴史をひもとくと、研究機関が集積するつくばには、海外の研究者や留学生、そして海外を経験した帰国組も数多く暮らし、パン文化を育む土壌が培われてきたようです。近年では、産学官連携推進事業としても位置付けられる、パンの街つくばプロジェクトが発足し、街おこしの一環としてイベントも開催! 地産地消も目指して、地元の厳選素材を活かした美味しいパンが、日々、進化を続けているのです。

実はベーカリー激戦区――そんなつくばの選りすぐりのパン屋さんをご紹介しましょう。

【1】晴れた日にはパン屋さんのある公園に行こう!「カフェ ブーランジェリー タケゾノ つくば竹園店」

▲鮮やかなブルーが目印! 公園隣接のパン屋さん

県内で人気を誇る「クーロンヌ」が運営するカフェ&ベーカリー。公園と一体開発されたマンションの敷地内にあり、お店の前にはテラス席、その先には竹園西広場公園(隣接)が広がります。開放的な芝生に向かえば、『もう家まで待てない、ここでいただきましょう』、そんな気分に誘われます。お天気の良い日は、実際、そんな楽し気な仲良しご家族がいっぱい。焼きたてパンと、思いきり駆けっこできる芝生と。子どもたちにも楽しい食事&遊びタイム!駐車場も10台分用意されているとのことなので、ぜひ、誘い合わせて出かけましょう。

フードメニューは、つくば鶏を使った「つくばチキン」や、店内で焼き上がる「PIZZA マルゲリータ」(8:30よりオーダー可能)、数量限定、シェフおすすめの「Takezono パン盛り合わせ」などが用意され、オリジナルメニューも魅力的です。ドリンクはコーヒー、紅茶からビールまでそろいます。オープンは早朝6:30から。テイクアウトして朝の食卓に焼きたてパンを、そして休日にはテラス席にてブランチを。時と場所を選んで、いろいろなスタイルで味わえますね。

▲総菜パンも豊富な種類がそろいます

「クーロンヌ」が提供するパンは、“焼き立て・揚げ立て・作り立て”を基本に、新鮮で美味しく、健康にもよいことが魅力です。ピュアな素材を選び、添加物など余計なものは使わない商品なので、小さなお子さんにも、やさしいですね。オリジナルブレンド小麦粉と自家製酵母ルヴァンを使用した無糖の食パンやバゲット、フルーツライ、そして特注の長いソーセージを使用したソーセージフランスや、自家製カレールーを使用したカレーパンなど、人気商品がたくさんあります。

カフェ ブーランジェリー タケゾノ つくば竹園店 (Café Boulangerie Takezono)

所在地/茨城県つくば市竹園1丁目13番地2

電話番号/029-846-5780

営業時間/6:30~18:00

定休日/毎週水曜日・第1火曜日(祝祭日除く。翌日振替で定休の場合あり)

【2】気軽に立ち寄れる「トナリエつくばスクエア」の中のベーカリー&カフェ「BRUNO(ブルーノ)」 

 「毎日でも食べたくなる、毎日でも行きたくなる」そんなお店づくりを目指しているというベーカリーカフェ「BRUNO(ブルーノ)」。 つくばエクスプレスつくば駅直結の大型商業施設「トナリエつくばスクエア」の中にあるので、通勤の途中に立ち寄ったり、休日のショッピングの途中で休憩したり、と気軽に入りやすいお店です。 

▲つくば駅直結の商業施設「トナリエつくばスクエア」の1階。イートインもあります

 天然酵母や素材にこだわり、フランス伝統のレトロバケットや定番のクロワッサンのほか、季節の食材を使った限定商品など、常時50種類以上の焼きたてパンを取り揃えているそう。美味しそうなパンばかりで、どれを選ぶか迷ってしまいますね。 

▲楽しい食感で人気の「塩バターパン」

 一番人気は「塩バターパン」。外側の香ばしい“サクッ”、中の柔らかい“フワッ”、そしてたっぷりのバターの“ジュワッ”、と3つの食感が楽しめると人気の定番商品です。 

▲ゴルゴンゾーラピカンテを贅沢に使った「ゴルゴンゾーラとはちみつ」

イタリア産のチーズゴルゴンゾーラピカンテを100%使用し、くるみパンに巻き込んだ「ゴルゴンゾーラとはちみつ」はお店オススメの贅沢な一品です。

ガーリックバターの香りが食欲をそそる「フレッシュトマトのパニーニ」

こちらの「フレッシュトマトのパニーニ」は、ベーコンとフレッシュトマトを挟みガーリックバターでこんがり焼き上げた、人気のパンの一つです。 

また、茨城県発祥でコロンビアに直営コーヒー農園を持つ「サザコーヒー」の豆を使用した、淹れたてのコーヒーもいただけます。

▲カフェメニューではこだわりのサザコーヒーの豆を使用

つくば駅に来たら是非立ち寄りたいお店ですね。 

ベーカリー&カフェ ブルーノ

所在地/茨城県つくば市吾妻1-6-1 トナリエ つくばスクエア

電話番号/029-879-8066

営業時間/10:00~20:00

【3】約130種類の食事パンはクオリティ×コスパ×バラエティに大満足「ブーランジェリー アンキュイ」

▲元ガソリンスタンドをリノベーションした店舗はユニークでお洒落

一流ホテルやレストランでシェフブーランジェリーを務め、コンクールで数々の受賞歴を誇るオーナーが独立後の2010年、つくばに「ブーランジェリー アンキュイ」をオープンしました。安全・安心、そして幸せを感じてもらえる「食」を届けたいと、夢を注ぎ込んだお店です。アンキュイの商品は馴染みのある食パン、菓子パン、ヨーロッパのパン、オリジナルのパンをメインに常時約130種類が用意され、求めやすい価格もうれしい限り!オーナーが願った通り、“地元で愛される”人気のパン屋となりました。

▲商品一つひとつに説明書きが添えられています

店名の「encuit」は造語で、パンそれぞれが持つ理想の“焼き加減”へのこだわりが込められているそう。水分量の微妙な違い、ミネラル量の多い瀬戸塩の使用など、オーナーのパン作りへの様々なこだわりが伝わってきます。人気商品はクロワッサン。外側はカリカリ、サクサク、中はしっとり、少しもっちり。発酵バターの風味が口中に広がります。改良に改良を重ねたという逸品は、朝9時から2時間おきに1日約7~8回焼き上がります。ぜひ焼きたてのクロワッサンをカフェオレと一緒にご賞味ください。

食パン、バケットなどの食事パン、果物やクリームの味わい・香りを生かした菓子パン、ベーグル・フランスパンをベースにしたバラエティ豊かなサンドウィッチ、そして上品な甘さと豊かな香りの焼き菓子と、店内には多種多様なパンが並び、選ぶのに悩みます。中には「ケロッちゃ」というカエルの形をした可愛らしいパンもあり、お子さんに喜ばれそうです。低温長時間発酵のバゲットからケロッちゃまで、いずれもオーナーがこだわり抜いたパンは一つひとつが魅力的。リピーターが多いことにもうなづけます。

ブーランジェリー アンキュイ (Boulangerie encuit)

所在地/茨城県つくば市稲荷前33-1

電話番号/029-879-7258

【4】週2日だけオープンする国産小麦と天然酵母のパン屋さん「くすもとベーカリー」

▲住宅兼店舗は長閑なに田園風景に溶け込む一軒家

木の温もりに包まれた片流れ屋根が印象的な「くすもとベーカリー」。水曜日と土曜日だけの営業日を多くの人が待ちわびる、地元住民に愛されるパン屋さんです。そのパンの美味しさは口コミで広がり、支持層も拡大中。お店の一軒家をかたどった手作り風看板やウッディなテラス、そして焼きたてパンのやさしい香りに包まれれば、誰もがほっこりした気持ちになれそうです。

商品の特徴は、『低温発酵でじっくり熟成させた味わい深いパン』。素材選びやパン作りには、強いこだわりが感じられます。

▲素材と製法にこだわった深い味わいの食パン
▲人気のメロンパン。季節限定の抹茶メロンパンなどもあります(※限定商品は予告なく販売終了となる可能性があります。ご了承ください)

「くすもとベーカリー」のパンは、ホシノ天然酵母と国産小麦を使い、じっくり熟成させた生地本来の味わい深さが魅力です。もっちりした食感と小麦の風味に包まれた山食パンや丸パン、弾力のあるベーグル、外はカリっと、中はしっとりしたメロンパン、お昼に向けて焼き上がる総菜パンなど、メニューは豊富。そして、あんパンには十勝産小豆といったように、使用素材を添えて提供されています。そうした心遣いで、安心感が与えられ、美味しさもひとしおですね。

夫の転勤でつくばに引っ越したオーナーは、パン好きが高じて、“食べる”から“作る”を追究し始めたといいます。県外からの移住者も多い「研究学園都市・つくば」は、パンを作り続けるという夢を叶えてくれた街。営業はわずか週2日のみの限定ですが、オーナーが手間暇かけて作る安心・安全のパンは味わう価値がありますよ。

くすもとベーカリー

所在地/茨城県 つくば市小野崎1665

電話番号/029-852-8368

営業時間/水曜日9:00~17:00、土曜日11:00~17:00のみ ※週2日の営業

【5】週替わりでさまざまな種類のサンドイッチが楽しめる「サンドイッチ専門店 RocketBase」

最後につくばならではのサイエンスに因んだサンドイッチ専門店をご紹介します。

つくばエキスポセンターのカフェスペースにあった「ほしまるカフェ」が、4月15日に「サンドイッチ専門店RocketBase」として生まれ変わりました。

パン作りで茨城県の魅力を発信している『La Maison du Pain KURIHARA(ラ・メゾン・デュ・パン・クリハラ)』からは食パンを、県内の契約農家からは野菜を取り寄せるなど、食材にもこだわり、週替わりで8〜12種類程度のサンドイッチを提供しているそうです。

▲ボリュームタップリの「BLTシーザーサンド」

さまざまな人が一緒に食事を楽しめるように、ヴィーガンメニューやキッズメニューもあります。また、エキスポセンター内のカフェであることから宇宙食を使ったメニューもあるとのこと。他ではなかなか食べられない、まさに科学が身近にあるつくばならではのメニューですね。

▲サンドイッチ3種と無添加ミートボール、野菜、フルーツなどが入ったお子様セット

お店はエキスポセンター内にありますが入館料なしで利用できるので、エキスポセンターを訪れた方だけでなく、それ以外の方も気軽に訪れることができます。エキスポセンターの屋外展示場のロケットや揺らぎ石などを見ながら、カフェの店内でいただくのも良いですが、テイクアウトしてすぐそばの「つくば中央公園」でピクニックを楽しむのもおすすめ。

週替わりで色々な味が選べるのでランチタイムが楽しみになりますね。

サンドイッチ専門店 RocketBase

所在地/茨城県つくば市吾妻2-9(つくばエキスポセンターカフェスペース)※入館料なしで利用可能

営業時間/土日祝日限定 午前11時〜午後5時 ※小学校長期休み期間は毎日営業

【6】編集後記

本当の美味しさを知る住民と地元の豊かな農産物が育んだ「つくばのパン屋さん」。各店のご紹介を通して、オーナーのパンに寄せる並々ならぬ愛情と商品のクオリティ、そして各店に秘められた出店ストーリーや、パンを介した人と人との緩やかなつながりも感じられました。『美味しいパン屋さんのある街』が住まい選びの条件、と言った知人がいましたが、まさに、つくばはぴったりの街かも。ご紹介したお店以外にも、まだまだ人気店はいっぱいです。ぜひ、ご自分のご贔屓店を探してみてください。

ライター 藤井涼子

※本記事は2023年05月15日時点の情報です。掲載情報が現在と異なる場合がありますので、必ずご確認ください。